おせちの起源

 by 大丸・松坂屋

 

おせちとは、中国大陸から伝わった暦上の節目、季節の変わり目などにあたる節日(せちにち、節句)のことを言います。節日には祝事を行い、祝い膳がしつらえられ、このとき作られるめでたい料理が、「御節料理」と呼ばれました。

 

平安時代になり、宮中では3月3日や5月5日などの五節供は、邪気払いなどの宴の行事になります。「節会」と呼ばれ、神様に祝膳を供えたのが「お節供(おせちく)料理」です。宮中行事だった節供も、江戸時代には庶民に広まるようになります。このころから、全国的におせち料理の風習が定着するようになったのです。

 

このように、昔は節句に食べるお供物すべてが「おせち料理」と呼ばれていたわけですが、生活の変化に伴い「節供」は「節句」と表記されるようになり、神前へのお供えの習慣もなくなりました。現在では、年の初めのご馳走であるお正月料理だけが「おせち」と呼ばれるようになったのです。